003 田舎の愛おしさ
私が今住んでいる鈴鹿市は、プチ田舎。
あちこちに広い田んぼがあって、海辺に行けば浜がある。古い家から現代的なお家もあって、大通りにはチェーン店や店舗が立ち並ぶような地域。日本の原風景とは呼べないけれど、中途半端な田舎のような、そんな感じ。
まるで、現代の日本の地方を象徴したかのような場所だと思います。
確実に言えるのは、「街」ではなく「町」であるということ。
海と山の真ん中に人々が集中し、端っこに行くほど田舎風景が広がります。古い家屋が味わい深く、日本らしさのある町並みに癒しを感じたり。
ここは、日本のどこにでもあるような町。
住んでいると、似て非なる町が日本中にあるのだと想像できます。
それでも誰かにとって特別な場所であるのでしょう。少なくとも、自分にとって。
その誰かの“特別”を増やしたり、磨いたりしていくことが自分の使命なのではないかと感じる今日この頃です。
点と点をつないだり、整えたり、エネルギーを見出したり。
大げさかもしれないけれど、自分がいることで地方に希望が見えるような、そんな動き方ができたらと思っています。
「美味しい」でつなげる文化。
「デザイン」でつむぐ魅力。
日本のどこにでもあるような「町のお菓子屋」の未来をつくりたい。そんなことを、地域に関わりながら時間をかけて考えています。
この土地を愛でる気持ちを育みながら。
Photo by Kanji Okuoka